中国、資産格差が深刻に 富裕層の保有が6割超す 大学機関が報告、ネットでは記事削除

【北京=共同】中国の裕福な世帯の上位10%が、全国の総資産の63.9%を保有するとの報告書を四川省成都の西南財経大の研究機関が23日までにまとめ、発表した。中国メディアが伝えた。

報告書の作成に携わった研究者は「財産の多くが少数の世帯に集中している」と資産格差の深刻さを指摘。ただ、詳細を伝えるインターネット上の記事は次々と削除されており、経済格差への不満が高まることを警戒した当局が報告書を問題視したとみられる。

報告書によると、上位1%の富豪世帯の平均年収は115万2千元(約1900万円)に上る。2012年の中国の労働者・職員の年間平均賃金は約4万8千元。

所得や資産の不平等や格差を示す指標で、1に近いほど格差が大きくなる「ジニ係数」で13年の資産の偏在ぶりを数値化すると、0.7を上回るという。